MAIZURU.NET れんが製造工程@

@土取場
@土取場
A原土運搬
A原土運搬
B船場(混錬)
B船場(混錬)
C型抜場
C型抜場
D干場
D干場
E白地背負い
E白地背負い
F登窯
F登窯
G窯焚き
G窯焚き
@採土と混錬
赤れんがの材料となる原土は、粘土と砂類とからなります。粘土は、屋根瓦に用いられる通常の粘土です。

れんがの主原料となる粘土は、田の下に埋もれる床土程度のものでまかなわれてきました。但し、これらの粘土だけではあまりに粘性が大きく、諸々の作業が困難になります。そこで、粘性を押さえる目的で砂を混合します。

『煉瓦要説』という明治時代の本には、砂とは別にサク土を粘土に加えて粘性を小さくするといっています。また砂については、粘土だけではあまりに収縮率が大きいので、焼き上がったれんがの大小にバラツキが生じます。これに砂を混ぜることによって収縮率を小さなものとし、焼成後のれんがの寸法を整ったのものとする、という旨の記述がされています。

原土の養生は手抜き製と機械製とでは多少異なります。手抜き製の場合、粘土と細砂を混合する前に粘土だけで一度処理します。土取場から運んだ粘土を配合して混練作業に入ります。混練は職人が自らの足を使って行いました。

かつての機械製の場合は最初から粘土と細砂を同時に素地成形機に投入してしまうことで、機械が粉砕と混練を連続的に実施しました。しかし、今日のれんが製造の工程では、配合する前に粘土と山砂を別々に何段階かのスリット(5m/m、3m/m、1m/m 間隔など順に)を通過させて粉砕し、山砂に関しては含まれている木の根などを除去するためにフィルター(フィーダー)を通します。

A成形
手作業によるれんが成形の工程に使用される道具は、型枠と撫で板が主なものです。型枠は全国的には圧倒的に木製のものが多かったのですが、広島県竹原市吉名地区では例外的に真鍮製の型枠が使われていました。また普通の型枠はれんがの長手と小口に4面だけを構成した底も蓋もないものが一般的でしたが、九州の各地には「底あり」の型枠が見られます。

福岡県山門郡瀬高町一帯のれんが工場は底ありの型枠を用いていましたし、鹿児島県の薩摩半島側では今も底ありの型枠を使って手抜き成形法によるれんがの製造が続けられています。成形は原土を型枠に叩き込んで行われます。

以下の記述は、鹿児島県日置郡市来町大里6247番地の迫田煉瓦への現地調査により得られたものです。この工場で今日まで手抜き成形が実施されている理由としては、湯殿に用いるのに機械製のれんがでは硬過ぎてれんが積職人が加工面の困難さから嫌う点にあるということでした。この工場以外では同郡日吉町の5工場ほかで手抜き形成法が行われているそうです。


具体的な工程は〜

@タブかサクラ材で作られた型枠の内側に、川砂の細かい部分を乾燥後篩にかけた“抜き砂”をまぶす。

A養生、混練を終えた原土を団子状に用意する。

B塊状にした原土を少し横長の形にし、それを縦方向から型枠に叩きこむ。

C針金で型枠上部に盛り上がった余分な土を切る。

D作業台の上に抜き砂を少し置いて、E余分な原土を抜き砂の上にとる。

F素地を抜き易くする為に作業台の上で型枠をコトコトと打つ。

G型枠ごと干板の上にひっくり返してれんが素地を出す。


上記各工程の途中でも原土に異物が含まれるのを発見したら、そのつど取り除くというものでした。1872年(明治5)6月、北海道開拓使が茂辺地煉化石製造所の“煉化石製造器械”を、アメリカ合衆国に発注したことが記録されていますが、実際に使用された事実は確認されていません。

1873年(明治6)創業と見られる横浜のジェラ-ル瓦煉瓦石製造所にも蒸気力を利用した素地成形機が導入されていましたが、これはプレス式によるもので、明治20年代以降わが国に導入された一般的なウィヤーカット式の機械とは事情を異にします。また工部省でもれんがの製造機械をつくっていたようです。

工部省赤羽工作分局の製品カタログ「製造機械品目」に煉化石製造機械が図入り説明文付きで紹介されていますが、この機械がどこかのれんが工場で実際に使用されたということはわかっていません。

ピアノ線切断による本格的な連続製造ができるれんが製造機械は明治20年代のごく初頭まで待たなければなりませんでした。近代的れんが工場での実際の稼動は、日本煉瓦製造会社と下野煉化製造会社におけるもので共に、1889年(明治22)です。

そして特筆すべき点は、通常、刻印をもつれんがは手抜き法によるにもかかわらず、上記の2社は会社創業時から機械製であったため、機械抜きれんがの素地に各々の社印を押印していたことです。但し下野煉化製の星マーク刻印煉瓦は手抜き成形によるれんがです。

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